困っている男性

勃起は本来性的刺激が脳から陰茎に神経を通って伝わり、陰茎海綿体の血管が広がることで起こります。
しかしこの過程で何らかの問題が起き、満足のいく勃起が起こらなくなった状態が勃起不全(ED)です。
EDが起きる原因は一つではありません。原因によって「心因性ED」「器質性ED」「薬剤性ED」に分かれます。
症状を改善するためには、原因を取り除かなければなりません。
ですので症状が見られたら早めに相談し、原因を取り除くことが重要となるのです。

EDの症状、原因について紹介

脳で生じた性的刺激は神経を通って陰茎まで伝わります。性的刺激を受け取ると陰茎海綿体の血管が広がり、勃起が生じます。
この流れの中でどこか異常が生じると、勃起不全(ED)につながるのです。

心因性EDは主にストレスによって起こるものになります。
経済的な不安・過労・睡眠不足等のストレスがかかると、次第に自律神経が乱れてきます。
すると性的刺激が陰茎まで伝わりにくくなってしまいます。さらにストレスが加わると、ヒトは戦闘モードになります。
筋肉は硬直し、血管は収縮。陰茎海綿体の血管も広がらなくなり、EDにつながるのです。

またストレスは自分で自覚できるものだけとは限りません。
中には幼少期の記憶や、性行為に対するトラウマが原因になることもあります。
例えば失敗体験があった場合、本人は自覚していなくても「次失敗してしまったらどうしよう」と思ってしまいます。
すると極度に緊張し、勃起が起こらなくなってしまうのです。

このような心因性EDの場合、カウンセリングによって原因となる悩みを取り除く必要があります。
ただし本人が自覚していない場合は、原因を探るのにも時間がかかるため、治療は遅くなります。

一方、器質性EDは身体的な理由で起こるものになります。
具体的には血管・神経の問題が挙げられます。
年齢を重ねたり、生活習慣が乱れていると、次第に血管は衰え、血流が悪くなります。
血流が悪いと陰茎海綿体の血管まで十分に血液が行きわたりません。
勃起が起こるためには陰茎海綿体の血管が広がる必要があるので、十分な血液が流れないと勃起が起こらないのです。

また脳から陰茎までの間の神経に異常が生じた場合も、EDの原因となります。
例えば脊髄損傷や糖尿病により神経が傷つくと、脳から発せられた性的刺激が陰茎まで伝わりません。
さらに脳血管障害・パーキンソン病の場合は脳の間の神経のつながりを悪くしてしまいます。
勃起が起きるためには性的刺激が必要なので、神経が傷ついてもいけないのです。

なお器質性EDの場合、膀胱がんや前立腺がんの手術の後遺症で起こることもあります。
というのも陰茎海綿体周辺の血管や神経が傷つくと、勃起が起こらなくなるからです。
そのため膀胱がんや前立腺がんの手術をする際は、事前に医師と相談する必要があります。

薬剤性EDとは何か?

薬剤性EDとは、服用している薬によって起きる勃起不全を指します。
原因となる薬の種類としては、「降圧剤」「精神神経用剤」「ホルモン剤」「抗潰瘍剤」「脂質異常症治療剤」「呼吸器官・アレルギー用剤」「消炎鎮痛剤」の7種類が挙げられます。

カルシウム拮抗剤・β遮断剤などの降圧剤には、血流をサラサラにし、血圧を下げる働きがあります。
けれども血圧が下がっているというのは、血管にかかる圧力が少ない状態です。
血管内部からの圧力が少ないと、血管はあまり拡張しなくなります。
勃起が起きるためには陰茎海綿体の血管にかかる圧力がある程度上昇し、拡張する必要があるため、血圧が下がってしまうとEDにつながりやすくなるのです。

なお、陰茎海綿体の血管が拡張するためには、周辺の筋肉が緩む必要があります。
非ステロイド性抗炎症薬の中には、陰茎海綿体の筋肉が緩むために必要な物質の合成を阻害するものもあるため、注意が必要です。

精神病の治療に用いられる「精神神経用剤」を服用している場合、性的刺激が起こりにくくなることがあります。
例えば躁病・高血圧の治療に使われる薬の中には、興奮物質であるドーパミンの発生を抑えるものがあります。
けれども性的刺激は、脳が興奮しドーパミンが発生することで起こります。
ドーパミンの発生が抑えられると興奮が起こりにくくなるため、性的刺激も感じにくくなってしまうのです。

一方抗不安薬・睡眠薬の中には睡眠物質であるセロトニンの分泌を促進するものがあります。
セロトニンの分泌が活発になると興奮が起こりにくくなり、睡眠欲が強くなります。
この場合も性欲が起こりにくくなるため、EDにつながるのです。

他にも他にも鎮痙剤や抗精神薬に用いられる抗コリン薬は、アセチルコリンの分泌を抑える効果があります。
アセチルコリンは副交感神経の働きに重要なもの。勃起が優位に働くためには副交感神経が働く必要があります。
けれども抗コリン薬で抑えられてしまうと、副交感神経が働きにくくなってしまいます。

そして前立腺肥大・男性型脱毛症(AGA)の治療に用いられる「ホルモン剤」も大きな原因となります。
前立腺肥大やAGAは、男性ホルモンの過剰分泌によって悪化します。ですのでこれらの治療薬は、男性ホルモンの働きを抑える効果があります。
けれども男性ホルモンは、勃起を起こすために必要なもの。ホルモン剤によって男性ホルモンの分泌が減少すると、EDが生じてしまうのです。

EDを自覚したらすぐに病院へ行きましょう

勃起不全は完全に勃起が起こらない状態を指すわけではありません。
性欲はあるが勃起しない、勃起しても十分硬くならない、勃起が長続きしないなど、人によってその症状は異なります。
またなぜ満足のいく勃起が起こらないのか、その理由も人によって違います。
症状を改善するためには、なぜ勃起が起こらないのか、その原因を探り、取り除く必要があります。
原因によってその取り除き方は違うため、病院に相談するのがおすすめです。

例えば強いストレスで生じる心因性EDの場合は、原因となるストレスを取り除く必要があります。
そのためにはカウンセリングを通して原因となっている悩みを探し、緩和していきます。

身体的な理由で生じる器質性EDの場合は、原因となる身体的理由を治療していく必要があります。
器質性EDの場合、血管・血流・神経による問題が多いです。
これらの問題の陰には年齢的なものだけでなく、生活習慣病が隠れている場合もあるため、根本の原因となる生活習慣病を治療することが重要です。
特に糖尿病は血管・神経の両方に影響を及ぼすため、根本的な治療が必要です。

また器質性EDは外傷・手術の後遺症で生じることもあります。
この場合早期なら改善も可能なので、病院に相談するようにしましょう。

そしてEDは服用している薬によって生じることもあります。
ただし降圧剤や高血圧治療薬等は、生活習慣を整えることである程度服用する薬の量を減らすことも可能です。
薬を服用していてEDの症状が見られる場合は、薬を処方している病院と相談し、薬の量を調節することが重要となります。

EDは放置していると、症状が悪化する恐れがあります。
身体的な問題が悪くなることもありますし、満足のいく勃起が起こらないことで「失敗体験」につながり、強いストレスになることもあるからです。
そのためもし症状を自覚したら、早めに病院に行くことをおすすめします。

というのも、EDの治療方法は何が原因かで異なるからです。原因に合った治療を行わないと、根本となる原因を取り除くことはできません。
そのためには、病院の協力を得る必要もあります。症状を自覚した時点ですぐに病院につながれば、その後の治療もスムーズにいきます。
病院に行くのが遅れれば遅れるほど、治療にかかる時間も長くなる可能性が高くなるため、早めに行くようにしましょう。

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